【刊行】上杉和央准教授,奧谷三穂共同研究員編『くらしの景観 -日本と中国の集落-』

集落景観はこうしてつくられた-日中の建築・景観・文化の専門家による現地調査から伝えられること-

  • 株式会社臨川書店 336頁
    2022年3月刊行
    定 価 :8,000円+税
    ISBN978-4-653-04538-0
    *全論考に日本語の要旨・中国語の摘要を付載。

【概要】

本書では、現存する農村・漁村の伝統建築と集落景観並びに生活文化の現状と課題について、建築、景観、環境、文化の各分野で活躍する日中の研究者や行政担当者、伝統村落再生プロジェクトのリーダーなどが日本と中国のそれぞれの現地で行った調査事例や研究成果を紹介している。本書の執筆者は、2018年度から2020年度の3年間にわたり(一財)橋本循記念会の助成金を交付いただき、中国伝統村落の調査・研究を実施してきた。
日本と中国のどちらの国においても、伝統村落の保存・継承の方策は確立されているとは言い難い。各分野の研究者並びに地域住民、市民グループ等も一緒になって議論していくために、私たちの研究成果を日中双方のより多くの人々に知っていただければ幸いである。
また併せて日中文化の交流が進み、双方の国と人々に理解と共感の輪が広がることを期待するものである。

 

【目次】

はじめに(奥谷三穂)
文化的景観の道しるべ(上杉和央)
文化的景観にみる「くらしの景観」―愛媛県西予市狩浜を例に―(上杉和央)
「宮津天橋立の文化的景観」とまちづくり(河森一浩)
*コラム|中国の生態博物館を訪ねて―貴州省地們村―(河森一浩)
集落景観を形づくる祈りの空間
―京都府宮津市溝尻の文化的景観と中国貴州省黄崗村の伝統村落を事例に―(奥谷三穂)
*コラム|「魔除けのススキ」(奥谷三穂)
戦後日本の伝統的建造物保存に関する法制度の変遷と特徴(北川秀樹)
日本と中国の伝統民家における木造と石積み造(大場 修)
*コラム|貴州省の生態博物館(大場 修)
陕西传统村落调查研究概况(段 炼孺・李 凡)
中国传统村落的农耕文化和生产性景观安全格局研究策略―以陕西地区传统村落为例―(王 莎)
無名营造 乡村实践(陈 国栋)
专栏|日本的船小屋杂谈(陈 国栋)
あとがき(上杉和央)