センター関係者メッセージ

センター長

川勝 健志(公共政策学部教授)

 

 「地域貢献」という本学の重要な使命を担う当センターはどうあるべきか。2020年度にセンター長に就任して以来、私が問い続けていることです。大学はただ研究するだけでなく、その成果を地域にどのように還元するのか。大学と地域をどのようにつないでいくのか。また、そうした活動を地域と一緒に考えて、発信していくことも大切です。模範解答のないこのような問いにどのように応えていくのか。いまだその解には辿り着いていませんが、その手がかりとなるのは、やはり私がいつも大切にしている職場仲間との日常的なコミュニケーションと多様な人的ネットワークの構築です。

 当センターがユニークなのは、学内外に次々と仲間が増えてネットワークが広がっていくことです。しかもその関係が「ゆるやか」であることも特徴です。関係が強くなりすぎると個人の自由が奪われ、個人の意欲と能力が十分に引き出せなくなるからです。互いに協力し合うことで個々人の能力をより発揮できる。自発的で強固な連帯が生まれる。当センターは、そんなコミュニティでありたいと思っています。

副センター長

宮藤 久士(生命環境科学研究科教授)

 

 2021年度は昨年度に引き続き、いまだに収束を見ないコロナウイルス感染症の蔓延に翻弄された1年であったように感じます。リモートが急速に普及し、様々な物事を対面ではなく画面越しで感じることが多くなりました。

 京都地域未来創造センター(KIRP) でも活動が制限されることもございましたが、決してネガティブ なことだけではないと思っております。 我々が目指すまちづくり、人づくりにおいては、海外も含め遠くの、そしてより多くの方々とあまり時間を気にせずにつながれるというポジティブな側面もあると感じております。このような 空間的、時間的な垣根が低くなったことで、明るい未来を創造できる、より多くの機会が生まれているのではないかとも感じてお ります。対面でのメリット、リモートでのメリットを上手に生かした新しい視点で、今後も地域の皆様のお役に立つ貢献を続けて参りたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

統括マネージャー

上杉 和央(文学部准教授)

 コロナ禍により普段とは違う生活が続いていると言われます。でも、果たしてそうでしょうか。

マスク着用やオンライン利用といった生活はもはや日常となっています。もはや「withコロナ」 といった言葉で騒ぐことさえなくなりました。人間の環境適応力も、なかなかのものだと思いませんか。 ただ、コロナ禍で失われつつあるものがあることも確かです。 特にコミュニティ・レベルに目を向けると、地域の未来はどうなるのかという不安感が一気に増大しているように思います。不安や危機の中から未来に向けた新しい道が開かれていくことを期待したいですし、そうした地域の姿に寄り添う「知」の役割の一角にKIRPの取り組みが貢献できることが理想です。少しずつではありますが、そうした取り組みの種を育てていきたく思います。