先駆者に学ぶ精神科医療における開放化と尊厳の回復/ Guest Lecture:Challenges for Unlocked Psychiatry Ward with Community(公共政策学部 福祉社会学科)
ゲストスピーカーとして、精神科医の崔秀賢先生(いわくら病院元院長)が登壇
崔先生は、精神科医療のみに見られる、施錠されて患者さんが自由に病棟外に出ることができない閉鎖病棟のあり方を変える取り組みを50年近くにわたって続けてこられました。その取り組みは病院内のみで完結することなく、近隣にお住まいの方の理解と協力を得ながら少しずつ地域に広がりました。
当日は、穏やかな口調で受講者ひとりひとりに丁寧に語りかけるように、「開放医療」に向けての取り組みと当事者や地域住民とのかかわり、そしてそれらの経験から得られた気付きについて語ってくださいました。そのお言葉のひとつひとつから、人間の尊厳を奪う医療のあり方への疑問をそのままにせず、尊厳を取り戻すために試行錯誤を重ねながら挑み続けてこられた崔先生の強い信念が伝わってきました。
受講生には、ソーシャルワーク専門職として「人権尊重」を拠り所に思考し、行動することの重要性と、とりわけ精神科領域におけるソーシャルワーク専門職の必要性を再確認する機会になりました。
「(実践に)のめりこんだらいい」でも、「迷いながらすることではない」。私たちの心配にも寄り添うような、でも背中をおしてくれる応援のメッセージが心に残りました。
詳細はこちら▶︎https://www.kpu.ac.jp/activities/sw22-0201/
【参考】NHK ハートネット精神科医・崔秀賢さん「開放医療」で取り戻す人間の尊厳