奥上林自治会連合会自治会、上林中学校と連携して、君尾山光明寺の 「石仏レスキュープロジェクト」を行いました(綾部市)
府大ACTR 2025年度「文化庁連携による地域歴史遺産の体験型世代継承―住民参加による綾部市 君尾山光明寺の石仏発掘―」文学部 横内 裕人 教授
京都府立大学文学部歴史学科は、地域の要望を受け、国宝・二王門を有する綾部市・君尾山光明寺の文化財悉皆調査(2018年度開始)を行ってきました。
君尾山光明寺には、江戸時代後期に地域住民が寄進したとされる「四国八十八カ所霊場石仏」が安置されていますが、一部は土砂に埋没し、継承が困難な状況でした。 そこで、本事業は、文化庁調査官の助言を得ながら、埋没した石仏を発掘し、安全な施設へ安置するための調査を行い、地域総がかりで文化財を継承する取り組みを行っています。
活動は2025年10月20日(月)に、参詣道で実施されました。小雨の降る中でしたが、奥上林地区自治会連合会の住民12名、上林中学校の生徒17名、京都府立大学の学生・教員11名が参加し、総勢40名で、石仏を1体ずつ丁寧に運び出し、また、長年土砂に埋没していた石仏を丁寧に掘り起こしました。
この日の作業で、合計39体の石仏が「救出」され、奥上林地区自治会連合会所有の保管施設に安置されました。 なお、2018年度からの全体調査を通じて、寄進されたとされる176体の石仏のうち、171体の石仏がすでに確認されています。
上林中学校では総合的な学習の時間を使って、「石仏レスキュープロジェクト」の事前学習、現地調査を行っています。文化庁、京都府文化財保護課、綾部市教育委員会と連携し、京都府立大学と奥上林自治会連合会自治会とともに、君尾山光明寺の石仏発掘を通して歴史を継承することを目的としています。最終的には、保存ができる施設に保管できるようにし、観光資源化をめざすことになります。









