京都府産宇治茶の安定生産と独自性確保に貢献する生育予測研究と宇治茶品種の遺伝解析

研究活動の要約

宇治茶の栽培では茶樹に覆いをかけて遮光して栽培する被覆栽培という手法によって、抹茶の原料である碾茶(てん茶)や玉露などの高級茶を生産しています。近年の抹茶需要増加による被覆栽培の拡大や、地球温暖化の影響による気象変動(遅霜、干ばつの多発)に伴って、宇治茶の安定的な栽培・生産技術が求められています。また京都では宇治茶として優れた形質を持つ茶株が選ばれて品種として用いられてきました。今後さらなる宇治茶の新品種開発には、茶の優良形質に関わる遺伝子の特定が必要です。そこで本研究では、次の2点について研究を行いました(図1)。
(1) 私たちのグループはこれまでに、冬の生長静止期の茶樹の状態から、数理モデルによって翌年春の茶の収量を予測可能であることを明らかにしています。今回は、この技術をさらに発展させ宇治茶の品質予測が可能であるかを検討しました。
(2) 宇治茶の持つ優良な形質をつかさどる遺伝子を解明する基盤として、形質に関する遺伝子の染色体上の分布を明らかにするために遺伝子地図を作成しました。また、新芽の形質に関わる遺伝子の場所を調査しました。

採択年2021
対象地域亀岡市
種類
キィワード
ファイル京都府産宇治茶の安定生産と独自性確保に貢献する生育予測研究と宇治茶品種の遺伝解析 (PDF, 367 KB)