研究活動の要約
筍の加工後に生じる筍の皮は、産業廃棄物としての処理が義務付けられ、その処理に多額の費用を必要としている。また、加工の際に生じる筍煮汁は腐敗しやすく、強烈な悪臭を発し、その処理は困難を極めている。そこで、微生物の活用により、筍の皮はバイオエタノールに変換し、筍煮汁の悪臭は光合成細菌によって脱臭することを試みた。その結果、筍の皮から約36ml/kgのバイオエタノールを、また筍煮汁からは約22ml/ℓのバイオエタノールが産生された。しかし、どちらも十分な生成量とは言えず、今後さらなる研究が必要である。さらに、環境土壌中から3群の光合成細菌群の単離に成功し、これらによって筍煮汁の脱臭を試みたところ、処理前の40%弱の悪臭を除去した。しかし、なお、60%強の悪臭が残存しており、完全な脱臭には至らなかった。今後、アンモニアの悪臭除去能力の高い消化細菌との共培養による悪臭除去を検討する必要があるかもしれない。
採択年 | 2013 |
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対象地域 | 京都府全体 |
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ファイル | 筍の缶詰製造時に排出されるボイルした筍の煮汁が発する悪臭の無臭化に関する研究 (PDF, 169 KB) |