文化資源の効果的活用・発信による広域文化観光モデルの形成について

研究活動の要約

平成15年に当時の河合隼雄長官(在任:平成14年1月〜平成18年11月)が「あらゆる分野における東京一局集中を是正するために、関西の文化を掘り起こそう」「文化で関西から元気になろう」「文化の力で関西地区から日本を元気にする」と呼びかけ、関西の経済界や行政、報道機関等が賛同し、「関西元気文化圏推進協議会(京都府・大阪府・滋賀県・兵庫県・奈良県・和歌山県・福井県・徳島県・鳥取県による関西地区を1つの文化圏として一体的に活性化を推進)」が発足し、早や10余年。「関西から文化力」を合言葉に、この間、「関西元気文化圏賞」や「関西元気文化圏推進フォーラム」「関西文化の日(毎年11月)」などの取り組みを通し、世界遺産や国宝という文化財のみならず、芸術や芸能、さらにはスポーツにおいても、関西が日本の文化を先導する存在であることを広く発信し続けてきた。そして、京都においてはその運動の発信の拠点として、平成19年からその事務局である「文化庁関西元気文化圏推進・連携支援室」が置かれ、平成26年からは「文化芸術創造都市振興室」に名称を変えつつも、現在に至るまで事務局機能を維持し支えてきた。その意味においては、文化庁の移転というのは全面移転こそ今日的な動きであるが、その胎動はもはや平成15年から確認でき、平成19年からは部分的ではあるが文化庁の移転はすでに始まっていたとの見方も出来よう。ともあれ、京都も含む関西に文化庁が全面的に移転することは亡き河合隼雄元長官の悲願でもあっただろうし、逆に言えば、この動きなしに文化庁の京都への全面的な移転はなかっただろう。ただし、1点だけ留意すべきは、「関西から文化力」を合言葉にしてきた責任として、この移転を京都だけの恩恵に留めてはいけない。その意味においてはこれからがまさに京都も関西も試されるということになる。
そこで本調査研究では、「文化資源の効果的活用・発信による広域文化観光モデルの形成について」と題し、京都府を中心としつつも、広域の視点を入れながら文化資源をより効果的に活用、発信するためのモデルを検討してきた。
具体的には、京都府立大学、京都府メンバーによる研究会の開催(6回)、文化財修理事業の見学、文化庁文化部長経験者や府市の観光政策所管部署、京都府の文化財関係部署、京都府立大学文学部研究室、京都で民間による文化観光ツアーを展開している団体等へのヒアリング調査、福岡市の文化財活用の先進事例調査などを重ねながら、今後の方策を検討してきた。第1部ではこの調査結果を収録する。
そして、第2部においてはこうした研究会での議論や様々なヒアリング調査、先進事例調査の結果を踏まえ、京都府立大学京都政策研究センターの方で今後の展開についての提言策を検討し、まとめた。
本調査研究報告書が京都府はもとより関西から文化力をさらに推進するための一助となれば望外の幸いである。

採択年2016
対象地域未選択
種類
キィワードキィワード未設定
ファイル文化資源の効果的活用・発信による広域文化観光モデルの形成について (PDF, 2 MB)