子育てピアサポーターの活用に係る調査研究

研究活動の要約

核家族化・地域のつながりの希薄化等により、地域において、妊産婦やその家族を支える力が弱まる中、妊産婦等が孤立感や不安感を抱えやすくなっており、第2子以降の出産をためらわせるだけでなく、産後うつや虐待にも繋がりかねない深刻な問題となっている。
京都府では、妊産婦や子育て中の女性が妊娠や出産に関する不安や負担感を軽減するため、市町村と連携して様々な事業を行っている。平成28年9月には都道府県内の子育て拠点のネットワーキングの拠点「きょうと子育てピアサポートセンター」を開設した。センターでは、市町村の子育て世代包括支援センターの立ち上げ、運営支援をはじめ、京都府内で活動する子育て支援団体を認証する「京都府子育て支援団体認証制度」や府内金融機関と連携した「子育て応援総合融資制度」を創設するなど、地域の関係機関が連携して支援を実施できる仕組みづくりを進めている。また、平成26年度からは地域で子育てに関わる人材が身近な子育て支援の場で活動するための人材育成事業である「子育てピアサポーター(「産前・産後ケア専門員」・「産前・産後訪問支援員」)」養成講座を開催している。
一方、地域での子育て支援の直接的な実施主体は市町村であるため、こうした人材が実際に地域で活動するためには市町村との連携が欠かせない。「子育てピアサポーター」の養成講座を受講して登録した人数は延べ382名となっているが、こうした人材が地域で活動できる受け皿が未整備のため、子育てピアサポーターを活かしきれていないという現状がある。
研究会開始当初の6月時点で、研究会で出された課題は下記の通りであった。
・訪問支援員を活用している京都府内の市町村は、亀岡市、南丹市の一部のみであり、市町村での広がりがない。
・連携する側(行政、保育所・幼稚園、自治体など)の心理、物理的な課題があるのではないか(経験不足、予算、組織の理解等)。
・講座で養成した人材が連携する側のニーズに対応できるものになっていないのではないか。市町村の保健師は訪問支援員に任せていいのかという戸惑いもあるようだ。
・市町村への周知、活動事例が提示できていないのではないか(活動している情報の把握不足、情報発信の方法等)。
・母子保健領域では、市町村が新生児訪問指導や乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)等を行っており、今回の人材育成の受け皿となる市町村子育て世代包括支援センターの事業と重なる部分もある。市町村へ浸透しない理由として、子育て世代包括支援センターの分かりにくさもあるのではないだろうか。
研究会で議論を重ねる中で、人材と市町村とのマッチングの精度を上げるための調査研究というよりは、市町村が人材を活用するための現状把握、既存のシステムの課題整理を行う課題探索型の調査研究となった。具体的には、次の2つの方法で、子育てピアサポーターの活用について課題整理と提言を行った。なお、今回は、子育て世代包括支援センターでの主眼とされている産前・産後のケア人材の検証を行うこととし、調査研究の計画に含まれていた「子育ての達人」に関しては調査対象からは外すこととした。
(A)子育てピアサポーター養成講座の検証
・子育てピアサポーター養成講座(「産前・産後ケア専門員」、「産前・産後訪問支援員」)の受講者に対してアンケートを実施
・養成講座の運営団体へのヒアリング調査
(B)子育てピアサポーターが地域で活動するための課題整理と提言

採択年2016
対象地域未選択
種類
キィワード
ファイル子育てピアサポーターの活用に係る調査研究 (PDF, 2 MB)